この冬到来する”変異第3波新型コロナ禍”と”インフルエンザワクチン接種”について
今の変異第2波コロナ禍は日本では収束の方向性ですが、実は今期冬季にやって来る第3波変異コロナ禍が正念場です。
現在、南半球は冬季で南米ブラジル、アフリカ、中東、インド等で新型コロナ感染症が猛威を振るっています。RNAコロナウイルスは変異し易く、流行地で容易に変異型になります。
この秋~冬に南と北半球は逆転し、北半球は冬季となり、南半球の再変異コロナ禍がインフルエンザと共に襲来する季節となります。
再変異第3波コロナ禍とインフルエンザ感染症は症状で区別できない。
この冬、感冒症状の患者はすべてコロナ扱いとなります。
具体的には県にコロナ検査機関の登録をします。同時に県のコロナ対策補助金事業制度を利用し以下の整備をします。外に設置の感染対策Box を設置し、患者と直接接触を避け、Box からの長手袋操作で患者の簡易唾液コロナ抗原検査(薬15分で判明)を施行します。
コロナ陽性であれば、保健所に連絡してもらいその指示を仰ぐ。陰性でもコロナ感染症の感染は否定できないので、その旨を患者に含みを持たせて説明する。
インフルエンザ陽性であれば、抗インフルエンザ薬で対応。コロナとインフルエンザ同時感染であれば、抗インフルエンザ薬を投与して、同時に保健所の指示を仰ぐ。
すべて陰性なら、感冒薬で対応。
しかし、コロナ、インフルエンザともに否定はできないので、症状の変化に応じて再受診もしくは保健所に相談してもらう。
原則、感染症疑いの患者は、感染部屋で対応が終了するように、LAN でノート型電子カルテを設置。薬の受け渡しは感染部屋か、できれば車の窓越しで説明しお渡しする。
将来的には小児患者でも対応できるようにする。(院内にはコロナを持ち込ませない。)
病棟にコロナ患者用ベット2台(ベットを覆う封印ビニールカバー、排気ウイルス除去フィルター等を設置する。)
入所児童がコロナ感染であった場合
受け入れ施設が見つかるまで当院で完全隔離しながら治療する。(比較的症状が軽い場合)
通園・通所の場合
ご家族がコロナ感染で、利用者様が濃厚接触の場合(1回目 PCR(-) は確認)保健所から経過観察の依頼があれば、お引き受けする。この場合は、約7~10日は、通所・通園は中止し、当該職員は病棟配属となる。
入院中 PCR 陽性となれば、再度保健所に相談する。一般外来は電話対応等も考慮する。
このような状況下で、インフルエンザワクチンを接種し、少なくともインフルエンザには罹患しないようにすることが重要です。
インフルエンザウイルスについて
A,B,Cの3種類があります。
A. 症状が激しい、RNAウイルスで不安定。型の変更が起きやすく、ワクチンの当たりはずれは生じやすい。 鳥 - 人、人 - 人で感染し流行する。
B. 症状は比較的緩やか。型は安定し変異は少ない。お腹の風邪症状で下痢やお腹の痛みを訴える人がいる。 人 - 人で感染。
C. 1度は感染し、終生永久抗体を獲得する。4歳以下の小児に多い。症状は比較的軽症。
今年のインフルエンザワクチンは4種です。
A. H1N1 シンガポール型
H3N2 香港型
B. 山形系 プーケット型
ビクトリア系 テキサス型
ロット番号は製造年月日を表し、有効期限内のロット番号ワクチンを接種する。ワクチンロット番号は順次更新していく。
今年のインフルエンザワクチン供給量は例年より8%増の 2,951 万本で量的には過不足はありません。
インフルエンザワクチン接種後2週間後~4,5か月まで有効と言われていますが、ワクチンを早期に打つと R3 の3,4,5月をカバーできないので、2回目の接種も必要かもしれません。ワクチン供給量が R3 1月の時点で余剰があれば、2回目接種も考慮します。
65歳以上の高齢者には、コロナウイルス感染症で引き続き起こるサイトカインストームが命取りとなります。この時は二次性の細菌性混合感染(市中肺炎で主に肺炎球菌)も悪化の原因となります。
肺炎球菌ワクチンを先に私費でプレベナー 13(記憶細胞の Tcell 刺激)→その6か月後に公費負担のニューモバックスワクチン(抗体産生の Bcell 刺激)で永久免疫獲得をお勧めしています。