おぶせの里だより

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冬期到来する”変異第3波新型コロナ禍”に対する社会福祉施設の対策

 日本でのコロナ禍感染変異状況は、1月に中国観光客により弱毒化コロナが持ち込まれ、多くの日本人が一応免疫獲得したと思われます。3月の変異強毒化ダイプリ事件を経て、現在第2波の変変異で感染力の強い弱毒化コロナの最中と思われます。第2波は収束の方向ですが、冬に南半球で蔓延している強毒化コロナが流入してくる可能性があります。
 RNAウイルスは集団感染の中で、1回/月の頻度で変異すると言われています。更なる変異したコロナウイルスがインフルエンザウイルスと共にこの冬やって来ることを想定しなければなりません。
 一般にある感染症が流行って集団免疫が獲得されると、免疫応答で中和抗体を介して他の感染症(例えばインフルエンザ)が抑えられる傾向があります。そういう意味では、インフルエンザのこの冬の流行は、ある程度抑えられるかもせれません。

   再変異第3波コロナ禍とインフルエンザ感染症は症状で区別できない。

 この冬、感冒症状の患者はすべてコロナ扱いとなります。
 肢体不自由社福祉施設内の入居者を守るため、院内にコロナウイルスも持ち込ませない事が原則です。
 その為には、外来患者で感冒症状の方は、院外の孤立感染症部屋で診察治療します。この部屋には、感染対策 Box を設置し、ビニールカーテンで仕切り、陰圧室でウイルス除去フィルターを通して外へ排気します。患者と直接接触を避け、Box からの長手袋操作で患者の簡易唾液コロナ抗体検査(約30分で判明)と鼻腔インフルエンザ抗原検査(約15分で判明)を施行します。
 コロナ陽性であれば、保健所に連絡してもらいその指示を仰ぐ。陰性でも、コロナ感染症の感染は否定できないので、その旨を患者に含みを持たせて説明する。インフルエンザ陽性であれば、抗インフルエンザ薬で対応。コロナとインフルエンザ同時感染であれば、抗インフルエンザ薬を投与して、同時に保健所の指示を仰ぐ。すべて陰性なら、感冒薬で対応。しかし、コロナ、インフルエンザともに否定はできないので、症状の変化に応じて、再受診もしくは保健所に相談してもらう。
 原則、感染症疑いの患者は感染部屋ですべて対応が終了するようにする。
 薬の受け渡しは患者は車に戻ってもらい、車の窓越しに説明お渡しする(院内にはコロナを持ち込ませない)。
 コロナ(+)の入所者には、ゾーイングされた隔離病棟にコロナ患者用ベット2台(ベットを覆う封印ビニールカバー、排気ウイルス除去フィルター等)整備する。ビデオカメラ、生体モニターで看護室で監視する。

           入所児童がコロナ感染であれば

 受け入れ施設が見つかるまで、当院で完全隔離しながら治療する(比較的症状が軽症の場合)。
 重心患者は医療的ケアが必要なので、看護師が病棟でケアし、濃厚接触者で PCR(-) 無症状患者は別棟の隔離観察ベットで生活介護福祉士が交代で対応する。

              通園・通所の場合

 御家族がコロナ感染で、利用者様が濃厚接触者の場合(1回目 PCR(-) は確認)、保健所から経過観察の依頼があれば、お引き受けする。
 濃厚接触者で PCR 陰性の受け入れ病室は、完全にゾーイングできる隔離病室が望ましい。そういう意味では、通園の観察室は、完全に他病棟とゾーイング可能なので、コロナ対策設備を整えてから経過観察用ベットとして使用する。この場合は、約7~10日は通所・通園は中止し、当該生活介護福祉職員は病棟配置となる。
 入所児重心者のコロナ疑いの患者は、医療的ケアが必要なので、使用部屋は院内の観察室を使用する。入院中 PCR 陽性となれば、再度保健所に相談する。
 一般外来大人の患者は、電話対応、薬の処方等も考慮する。
 リハは病棟中心で行い、外来受診のリハは中止する。

 今後の日本は、常に ”with CORONA” でいつどこででも感染が発症するものとして対応したい。